2025年7月

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知って得する!ナチュラル洗剤の
専門知識と安全な使い方
〜 基本知識と人気アイテム徹底活用術 〜

皆さん こんにちは! いつもご愛読ありがとうございます。
孝英ハウス店長のたってんです。

「環境に優しく お財布にも優しい洗剤を使いたい」
「でも 本当に汚れは落ちるの?」
「混ぜて 大丈夫?」

昨今 100円ショップでも手軽に手に入るようになった「ナチュラル洗剤」について そんな疑問をお持ちではありませんか?

孝英ハウスには お客様からナチュラル洗剤に関するご質問が数多く寄せられています。
そこで今回 そんな皆様の疑問を解消すべく 当店が日々のクリーニングで培った専門知識と経験をできるだけわかりやすくお伝えする全5回の連載をお届けします!

第1回は、「そもそもナチュラル洗剤って何?」という基礎知識から、酸素の泡で汚れを分解する万能選手「過炭酸ナトリウム」の徹底活用術まで、孝英ハウスならではの活用法をできるだけわかりやすくお伝えします。

これをお読みいただければ、きっと今日からあなたもナチュラル洗剤をちゃんと使い分けができると思います。
洗剤の選び方から「混ぜたら危険な組み合わせ」まで、孝英ハウスがおすすめする賢い使い方を順を追ってご紹介していきますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね!


「洗剤」という
言葉の定義とナチュラル洗剤

「洗剤」とは 汚れを落とすために使用される製品全般を指す言葉です。今回ご紹介するものは、化学的な成分を組み合わせた一般的な合成洗剤とは異なり、単一成分に近いものや電気分解によって作られたものですが「汚れを落とす」という目的で使われる以上、広義の「洗剤」に分類されます。

特に日本では 家庭用品品質表示法において「合成洗剤」と「石けん」が区別されていますが、これらはそのどちらでもない「洗浄剤」として扱われたり 用途によっては「漂白剤」「洗浄補助剤」といった分類になることもあります。

孝英ハウスでは これから紹介する洗剤を「ナチュラル洗剤」と呼んでいます。


🧼 過炭酸ナトリウム
- 泡の力で汚れを落とす! -

過炭酸ナトリウムは 酸素系漂白剤の一種で 水に溶けると酸素の泡を出し 汚れを分解します。
特に除菌・漂白・消臭効果に優れています。


液 性: 弱アルカリ性


こんな汚れに効く!

  • 漂白・除菌・消臭が得意
  • 衣類の黄ばみや黒ずみ・シミ
  • 洗濯槽の裏側のカビ
  • 食器の茶渋やコーヒー汚れ
  • 排水口のヌメリや臭い

特 徴

  • 水に溶けると酸素の泡を発生させ 汚れを分解する酸素系漂白剤です。
  • 色柄物の衣類にも比較的安心して使えます。(念のため目立たない場所で試してから使いましょう)
  • ツンとした刺激臭が少ないのも嬉しいポイント。

おススメの使い方

  • 洗濯槽の徹底洗浄: 40〜50℃のぬるま湯を洗濯槽に満たし 過炭酸ナトリウムを投入して数時間放置。ごっそり浮き上がってくるカビや汚れに驚くはずです!
  • 衣類の漂白・シミ抜き: 白いシャツの黄ばみや 食べこぼしのシミに。お湯に溶かしてつけ置きすると効果抜群です。
  • 食器の茶渋・哺乳瓶の除菌: 茶渋でくすんだカップも つけ置きでピカピカに。哺乳瓶の除菌にも安心して使えます。
  • 排水口のヌメリ取り: 排水口に粉を振りかけ コップ一杯のお湯を流し込めば、泡の力でヌメリや嫌な臭いを分解してくれます。

基本的な使い方と希釈

  • つけ置き洗い(衣類、食器、洗濯槽など):

    • お湯1リットルに対し、大さじ1〜2杯(約10g〜20g)を目安に溶かします。
    • ポイント:40〜60℃のぬるま湯に溶かすと効果が高まります。熱すぎると短時間で酸素が出尽くしてしまうため注意しましょう。つけ置き時間は30分〜1時間程度が目安ですが 汚れがひどい場合は数時間放置しても良いです。
  • 洗濯槽の洗浄:

    • 洗濯槽の最大水位までお湯(40〜50℃)を入れ、10リットルに対し約100g(目安)の過炭酸ナトリウムを投入し 溶かして数時間(2〜3時間 または一晩)放置します。

一緒に使っちゃダメな洗剤

  • 塩素系漂白剤:絶対に混ぜないでください! 有毒ガスが発生し 大変危険です。
  • 酸性の洗剤(クエン酸など):中和してしまい効果が落ちます。
  • 界面活性剤の多い洗剤:泡が大量に発生し 洗濯機などの故障につながる場合があります。
  • 石鹸や重曹:本来の効果が弱まる可能性があります。

使えないもの

アルミ・鉄・銅などの金属製品(変色・サビの原因になります。)・ウール・シルクなどのタンパク質繊維(生地を傷める)・革製品。


店長のワンポイントアドバイス

換気をしながら 作業しゴム手袋の着用をおススメします。衣類の色柄物に使用する際は 目立たない場所で色落ちしないかテストしてから使用してください。


過炭酸ナトリウムと
「同じ効果」の市販品

過炭酸ナトリウムを主成分とする洗剤は、一般的に「粉末の酸素系漂白剤」として販売されています。液体タイプもありますが、過炭酸ナトリウムが主成分のものは粉末が多いです。

  • オキシクリーン (OxiClean): 「オキシ漬け」で広く知られていて、過炭酸ナトリウムと炭酸ナトリウム(アルカリ剤)を主成分とする代表的な粉末酸素系漂白剤です。界面活性剤が配合されているタイプもあります(例: オキシクリーンEX)。
  • ワイドハイター(粉末タイプ: 花王の「ワイドハイターEXパワー 粉末タイプ」など、過炭酸ナトリウムを主成分とした製品があります。液体タイプは過酸化水素が主成分なので注意が必要です。
  • シャボン玉石けん「酸素系漂白剤」: こちらは、純粋に過炭酸ナトリウムのみを成分としていることが多い、シンプルでナチュラル志向の方に人気の商品です。
  • その他 PB(プライベートブランド)商品や、様々なメーカーの「酸素系漂白剤(粉末タイプ)」 イオンやカインズなどのスーパーやホームセンターのPB商品でも、過炭酸ナトリウムを主成分とした酸素系漂白剤が多数販売されています。商品名に「酸素系漂白剤」や「過炭酸ナトリウム」と書かれているものが多いです。

これらの製品は、過炭酸ナトリウムと同じように、水に溶けて酸素の泡を出し、除菌・漂白・消臭効果を発揮します。
ただし、商品によっては界面活性剤や他の成分が加えられているものもありますので、購入の際は成分表示を確認することをおすすめします。


最後に…

ここまでで ナチュラル洗剤の基礎と 特に万能な過炭酸ナトリウムについて深く掘り下げました。身近な場所で手に入るこの洗剤が いかにパワフルで多用途かお分かりいただけたのではないでしょうか。

第2部では さらに身近で人気の「重曹」に焦点を当て、その研磨・消臭効果を最大限に引き出す活用術をご紹介します。
どうぞお楽しみに!